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【fromJSLD】日本自治創造学会メールマガジン第37号

< 2019/1/15>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第37号 ■■

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【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.リレートーク
  穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)
2.ニュース/情報ピックアップ
3.イベント情報
  第11回研究大会最新情報

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1.リレートーク

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平成から新時代へ
~選挙に勝って地方を変える~

穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)

○地方分権は過去のもの

 私たちは今、31年間続いた平成から、新しい時代を開く通過点にいますが、人口減少と超高齢化社会を迎え多難な時代に遭遇しています。しかし、これらを解決する特効薬である「地方分権」は影をひそめ、より強固な中央集権に向かって我が国は走り続けています。
 昨年12月の国会で水道法が改正され、公営と民営の是非について様々な議論がおきました。諸外国の失敗例や地域独占的な水道事業が民営化したならば利益重視の経営が行われ、値上げを阻止できない極めて危険な状態が予見される。あるいは品質の保持も業者任せになって劣化する危険があるなど、様々な批判が出されました。
 しかし、多様な意見が出されたにも関わらず、自治体の水道運営における公設・民営の選択の余地が拡がっただけだとする意見は皆無でした。当然議論されるべきであった自治体自身の力量が問われることなど、どこにもありません。とても不思議です。地方自治のあり方に不安感をおぼえたのは私だけでしょうか。
 地方分権が叫ばれた時代はもう過去のことで、我が国は絶対的な中央集権を望む時代へと移ってしまうのでしょうか。
 私は国民・市民が身近で学ぶことの出来る地方自治の基本理念が崩壊すると極めて危険な状況になると危惧しています。少子高齢化の加速によって日本経済が縮小される中で、福祉費や防衛費の増加が加速し、国家予算が拡大し財政赤字は増大し続けています。近い将来、抜本的な行政経費の削減が求められることになるでしょう。しかし、行政経費のムダは国だけでは不可能です。なぜならば、国と地方は同額に近い行政経費を費消していますので、国はもとより都道府県と市町村の役割分担の明確化も特に再検証する必要があるからです。
 さらに、このまま中央集権体制が加速すると、全体主義を誘引して、民主主義の堅持さえ危ういことになりかねません。
 私達は新たな時代を迎えるにあたって「地方分権」の是非をもう一度議論する必要があるのではないでしょうか。現在のようにうわべだけの地方自治が行われ、実質的な権限の全てを国家が担うという制度設計の大欠陥を、もう一度検証してみる必要があります。
 地方分権は地方が国の権限を求めるだけだと誤解されますが、国と地方(都道府県や市町村)の役割分担を明確にすることが真の分権国家をつくることになります。

○選挙に勝って分権改革を進める

 全国的な規模から大幅に後退しましたが、本年は統一地方選挙の年でもあります。政治家は選挙に勝ってはじめて権能を発揮することが出来ます。
 どんなに活動量が豊富であっても票に結びつかなければ無意味です。選挙戦で気をつけなければならない第一は、感触だけで支持票を想定するのは危険です。支持者を一人一人ピックアップし、最低当確基準票を確保しなければなりません。さらに支持度合を再検討し、高い方々には支持拡大のお願いをする必要があります。第二は、有権者から依頼された様々な事項の再点検です。未処理のものは告示1~2ヶ月前には処理しておかなければなりません。第三は、まちづくりの大胆なビジョン(夢)と有権者の生活に直結する身近なまちづくりのいくつか(現実)を有権者に示す必要があります。さらに現職が敗れる最大の理由は「油断」です。心してほしいと思います。
 地方の消滅が現実味を帯びる中で、地方議員の役割は益々必要になっています。人口減少と高齢化の中で高度成長期のシステムを抜本的に変えることが求められていますが一向にその気配は感じられません。日々の活動の中で新聞、ホームページ、SNSなどの様々な手段を通じて、地方議員自らが「地方のあるべき姿」について全国に発信することが必要です。地方議員の挑戦を私達はしっかりと応援していきます。

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2.ニュース/情報ピックアップ

地方自治に関係する気になるニュースをピックアップします。

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どう取り込む、外国人旅行者

2003年にスタートした「ビジット・ジャパン・キャンペーン事業」。
当時、海外に出かける日本人、年間1,600万人に対して訪日外国人は僅か500万人。これを2010年に1,000万人にして観光立国を目指す構想を当時の小泉内閣が打ち出しました。その後、リーマン・ショックなどの影響があったものの2013年に1,000万人に達し、昨年は3,000万人を突破しました。
訪日外国人数の増加とともに旅行先や旅行目的なども多様化。少子高齢化や過疎化に悩む地方では、この「インバウンド需要」の取り込みが、活性化への切り札となっている感もあります。
一方で、「観光業は労働集約型で、低付加価値かつ固定費が高いビジネス。それが主要産業というのは、その国の経済としては立派ではない。産業構造として日本は先進国から滑り落ちそうになっている。」との指摘も。
今回のニューストピックは、訪日客をターゲットにした「インバウンド需要」関連ニュースを取り上げます。

★石井大臣、20年にインバウンド4千万人「視野に入った」
 -2019年新春インタビュー-
2019年1月1日 旬刊旅行新聞

http://www.ryoko-net.co.jp/?p=47430

★JNTO(日本政府観光局)、地域における訪日インバウンドプロモーションの取り組み事例を順次公開
2018年12月19日 観光経済新聞

https://www.kankokeizai.com/jnto、地域における訪日インバウンドプロモーショ/

★「モノ消費からコト消費へ」インバウンド市場の変化・成功事例を紹介
2018年12月28日 訪日ラボ -国内最大級のインバウンドニュースサイト

https://honichi.com/news/2018/12/28/inboundkotoshohi/

★地方での外国人客増加をどうチャンスに変えるか?
 山口亮子 (ジャーナリスト)
2019年1月15日 WEDGE Infinity

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13010

★もはや先進国ではない。なぜ、日本経済はスカスカになったのか?
2019年1月9日 まぐまぐニュース! 『冷泉彰彦のプリンストン通信』

https://www.mag2.com/p/news/382054

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3.イベント情報

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第11回2019年度日本自治創造学会研究大会 最新情報

開催日決定:5月 9日(木)・10日(金)の2日間

場  所:明治大学アカデミーコモン棟3階 アカデミーホール
    (東京都千代田区神田駿河台1-1)

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発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員

東京都千代田区神田佐久間町2-24-301

お問い合わせ: info@jsozo.org

ホームページ: http://jsozo.org
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