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【from JSLD】日本自治創造学会メールマガジン第9号

< 2016/9/15 >━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第9号 ■■

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【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.巻頭寸言
  穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)
2.リレートーク
  廣瀬 和彦(株式会社地方議会総合研究所所長)
3.ニュース/情報ピックアップ
4.イベント情報

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1.巻頭寸言

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          穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)

 政務調査費の不正使用で、真面目な地方議員にまで厳しい批判が寄せられている。
この批判を払拭するためには議会が“政策立案機能”を大胆に発揮し、多くの住民に
議会・議員の必要性を明らかにすることだ。
 地方議員の党派を越えた新たな反攻を心から期待している。

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2.リレートーク

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「議会改革に思うこと」
                        
         廣瀬 和彦(?地方議会総合研究所所長・日本自治創造学会幹事)

平成18年5月に北海道の栗山町議会が初めて議会基本条例を制定してから、早10年が
過ぎ去った。

この間、各地方議会では議会基本条例の制定すなわち議会改革に舵を切り、様々な改革
を試みてきた。例として、議会運営や広報・広聴上の観点からは議会報告会や意見交換会
の各地区での開催、議員間討議の導入、反問権の導入等、そして経費削減の観点から議員
定数・議員報酬・政務活動費・費用弁償等の見直し等があげられる。

ここで今私がふと思うのは、これらの議会改革は住民のために行っていたはずであるの
に、その住民がこの10年間で議会をどのように評価し直したのかということである。

議会は確かに、地方分権一括法が制定された平成11年7月をきっかけに、そして議会基
本条例の制定の広まりとともに議会改革を推進させ劇的に変化した。これは議会自身の内
部要因による変化というより、法律の改正や住民の批判等による外部の要因による変化で
あり、変化せざるを得ない状況へと追い込まれていった面が大きいと考えている。

しかし、その一方で議員の選挙権を有する住民に変化はあったのか。残念ながら私が見る
限り一部の住民に変化はあっても、大部分は変化どころか逆に議員・議会離れが進んでい
るのではないか。そしてさらに行政・議会に丸投げするという意識が大きくなっているの
ではないか。

つまり議会が住民のために議会改革しているが、恩恵を受けるべき住民自身がそれを解・
評価しないだけでなく、さらに単なる経費削減の感覚だけで議会に対して議員定数や議員
報酬の削減、果ては議会不要論まで言い出す状況を今後は何とかすべきなのではないか。

自分たちのまちは自分たちでよりよいまちにする。その当たり前の感覚が住民から少しず
つ失われている気がしてならない。

18歳にまで選挙権が下げられた今、固定観念を持った一定年齢以上の住民の考えを変え
ることは容易ではない。それならばいっそ長い目でつまり教育の場に地方議会に対する正
しい知識と理解を取り入れるカリキュラムを導入し、地方議会に対する正しい理解と評価
ができる住民を育てるべきではないか。そうでないと議会がこの先さらなる議会改革を推
し進めても、単なる自己満足を満たすだけになってしまう恐れがあるのではないか。

ぜひ一度立ち止まって議会改革が誰のためのものなのか考えていただければ幸いである。

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3.ニュース/情報ピックアップ

地方自治に関する気になるニュースをピックアップします。
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 富山市議会で政務活動費が問題になり、8人の議員が辞職したにもかかわらず、いまだ
鎮火に至らず、まだまだ燃え広がりそうな気配です。
 不正の背景にあるのは、昔から言われている「政治とカネ」の問題、つまり、政治には
カネがかかる、「実弾」が飛び交い、派手な饗応接待で飲ませて食わせないと当選できな
い、という問題ではなく、もっと身につまされるような、政治家だけでは食っていけな
い、という現実があるようです。

 9月19日の朝日新聞の記事では、今回の不正問題の中心人物が、2011年の議員年金の廃
止をきっかけに白紙領収書による架空請求に手を染めたと語っています。老後の心配が動
機としていますが、毎日のように宴席に顔を出し、タダ酒というわけにも行かず毎回「会
費」を払っていては、年100万円程度の不正ではとても足りるとは思えません。

 一昨年の兵庫県議会での政務活動費不正問題以降、世間の注目を浴びることも多くなり
ましたが、都道府県や政令市でもない限り高い収入を得ることができるわけでもなく、次
の任期は保証されない地方議員にとって、議員の収入だけで食っていくのは大変だという
ことを世間の皆さんにはよく理解していただきたいところです。

 一方で、一連の不祥事をきっかけに、政務活動費に対する世間の目が集まり、その透明
性が高まることは望ましいことです。富山市議会の直前には富山県議会でも同様に領収書
を偽造した不正が発覚しており、全国で政務活動費をチェックする際の参考になると思わ
れます。

 また、同様に不正の温床となり得る選挙の公費負担の問題、例えば、ポスター代に他の
印刷物を混ぜたり、他の車のレンタル代やガソリン代を選挙運動用自動車に乗せちゃった
りという、貰えるものは上限いっぱいまで貰わないと損、という仕組みにも、世間の目が
集まって透明性が高まることを期待します。

http://www.asahi.com/articles/ASJ9L4TGVJ9LPTIL009.html

「老後の生活が心配で」富山市議会の不正、元議長が証言

http://t.news.goo.ne.jp/news/2683887

富山市議 辞職「言い訳できない」 政務活動費の虚偽請求

http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/?TID_DT03=20160819182254

自民会派の富山市議 政活費事実と異なる報告

http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/?TID_DT03=20160713184112

矢後県議 政務活動費不正か 書籍購入に約463万円

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4.イベント情報

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地方行政に関連するイベント情報を中心にお知らせするコーナーです。
掲載希望のイベントがありましたら、編集委員(info@jsozo.org)まで御一報
ください。

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発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員

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お問い合わせ: info@jsozo.org

ホームページ: http://jsozo.org
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