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【 from JSLD】日本自治創造学会メールマガジン第8号

< 2016/8/15 >━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第8号 ■■

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【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.巻頭寸言
  穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)
2.リレートーク
  戸崎 将宏(千葉県庁職員)
3.ニュース/情報ピックアップ
4.イベント情報

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1.巻頭寸言

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          穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)

 国政一強時代の中で、地方の影響力は消え、“国家でなければ何も出来ない”状況
です。
 しかし、2025年問題に代表される時代の大転換は、地方自治の重要性を再認識
することになるでしょう。

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2.リレートーク

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「熊本地震の課題をどう災害対策に活かすか」
                        
          戸崎 将宏(千葉県庁職員・日本自治創造学会幹事)

本年4月に発生した熊本地震では、多くの人命が失われ多くの方が不自由な避難所生活を
余儀なくされるとともに、自治体にとっても多くの課題が明らかになりました。

7月20日に内閣府が公表した「平成28年熊本地震に係る初動対応検証レポート」にお
いては、(1)自治体支援、(2)避難所運営、(3)物資輸送の3点に焦点を当てて重点的な検
証が行われています。

それによれば、状況把握支援のため被災自治体に国や県の職員を投入するものの事態の改
善が見られない自治体があったこと、指定避難所以外への避難者や車中泊避難者を含めた
避難所の状況把握が困難であったこと、国からの支援物資が避難所までの「ラストワンマ
イル」で滞留してしまったことなど、多くの課題が指摘されています。

このレポートを基礎自治体の側から見た場合、これらの課題は、大規模な災害時には自治
体が機能不全に陥ってしまう可能性を示しています。まず、避難所については、全域が被
災する震災の場合に、多数の避難所に少ない職員を貼り付けることは困難です。また、国
や県から「プッシュ型」支援として送られてくる支援物資の荷降ろしや仕分けにも人が割
かれます。

その結果、本来、最もマンパワーを要する災害対策本部業務に職員を振り向けることがで
きず、土地勘もなく寄せ集めの国や県からの応援職員が災害対策の中枢を担うことになる
という「逆転現象」が発生してしまいます。

では、熊本地震の経験を踏まえて、自治体はどのような防災対策を進める必要があるで
しょうか。

災害が起きてしまってからできることには限りがあります。災害が起きるまでに何を積ん
でおくかにかかっているのです。優先的に対策を打つべき点は、災害発生時に役所をお留
守にしない、という点に尽きます。

そのために活用できる資源は2つあり、1つは住民、1つは域外からの応援職員です。

まず、住民自身が避難所を開設・運営できる必要があります。そのためには、自治会を母
体とした「避難所運営委員会」など平時からの体制を整え、避難所開設訓練などによる、
避難所ごとの運営マニュアルの共有が不可欠です。また、近隣自治体や県外からの応援職
員の受援計画を策定するとともに、国内での災害時に職員を派遣して、被災地での災害対
策の実際を知っておくことが必要になります。

今後、多くの自治体で熊本地震の課題を踏まえた防災対策の見直しが進められることとな
りますが、単に国の法令や指針の変更に対応しているかどうかではなく、いざ災害時に役
所が機能不全に陥るおそれがないか、という視点で厳しくチェックしていくことが求めら
れます。

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3.ニュース/情報ピックアップ

地方自治に関する気になるニュースをピックアップします。
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★どうなった?どうする?「社会保障と税の一体改革」

自民党・公明党・旧民主党の3党合意で閣議決定された「社会保障・税一体改革」。
その後、消費税10%への引き上げが延期される一方、国民年金の受給資格期間を
25年から10年に短縮するなどの動きは進んでいます。
そもそもこの3党合意の中身はどういうものだったのでしょうか。

社会保障・税一体改革大綱について 平成24年2月17日(閣議決定)

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/kakugikettei/240217kettei.pdf

閣議決定から4年余。大綱で掲げている取り組み方向と現実の進捗状況を検証すべき
時期を迎えているかも知れません。

西沢和彦氏の「税と社会保障抜本改革」入門ーダイヤモンド・オンライン

http://diamond.jp/category/s-nishizawa

政府大綱決定と前後して、社会保障の専門家として名高い日本総研の西沢和彦主任研
究員(当時)が社会保障制度の仕組みと改革課題を平易に解説しています。4年後の
今、その指摘はさらに切実さを増しているのではないかと思われます。

★ふるさと納税で大都市部が減収に

ふるさと納税で住民税収998.5億円減
うち3割が東京から流出(マイナビニュース)

http://news.mynavi.jp/news/2016/08/03/499/

時事ドットコム ふるさと納税関連ニュース

http://furusato.jiji.com/?1=%2Ffurusato%3Fp1%3Dnews_article%26k%3D20160

80600276

「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれたふるさとに、自分の意思で、いくら
かでも納税できる制度があっても良いのではないか」そんな問題提起から始まったふ
るさと納税制度。返礼品を贈る自治体が増えてから一挙に広がり、大都市部の減収額
も大きくなっています。

総務省ふるさと納税ポータルサイト

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430

_2_kojin.html

★政府、企業版ふるさと納税も推進
対象に102事業、内閣府が決定(日経BPネット)

http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/tk/15/433782/080400437/

政府は、地方創生の一環として「企業版ふるさと納税」を推進しています。
8月2日、企業版ふるさと納税の対象事業として102事業の認定を決定しました。
総事業費は323億円で、このうち47億円を2016年度の事業費として見込んで
いるとのこと。

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4.イベント情報

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地方行政に関連するイベント情報を中心にお知らせするコーナーです。
掲載希望のイベントがありましたら、編集委員(info@jsozo.org)まで御一報
ください。

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発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員

東京都中央区日本橋馬喰町1-12-2タック馬喰町707

お問い合わせ: info@jsozo.org

ホームページ: http://jsozo.org
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