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【fromJSLD】日本自治創造学会メールマガジン第83号

< 2022/11/15>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第83号 ■■

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【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.巻頭寸言
  穂坂 邦夫(財団法人日本自治創造学会 理事長)
2.リレートーク
  岡本 拓也(千年建設株式会社 代表取締役社長)
3.ニュース/情報ピックアップ
4.お知らせ
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1.巻頭寸言
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        「情報の公開と共有の方策」

                   穂坂 邦夫(財団法人日本自治創造学会理事長)

 自治体にとって情報の公開と住民の行政に対する理解は運営の原点です。住民に届くことのない形だけの情報の公開は結果的に密室政治となり、自治体と住民の乖離を呼び、どんな施策を行ってもその効果は半減します。
 地方自治は民主主義の学校と言われ、本来的には住民の直接参加です。しかし、現行の自治体は代議員制で行われていますので、住民の意志をしっかりと行政に反映させることが求められています。それには住民が自分の問題だけではなく地域内の実態を把握し、お互いの意見を共に譲り合うことが不可欠です。そうでないと行政が一部に傾斜し、平等な運営がなされないからです。
 さらに地域内の様々な活動や行政体が発信する施策が住民に届いていなければ、住民の声が行政に反映されることなく、ややもすると、行政の独善的な運営となり一方的な施策が生まれてしまいます。企業であっても、エンドユーザーの意志を離れた製品をつくり続けますと、間違いなく倒産への道を進むことになります。
 自治体にとって情報の公開が住民の理解に結びつくためには、どのような手法があるのでしょうか。第1に住民目線に徹した広報にしなければなりません。第2は行政用語を使った情報の公開は住民に伝わらず、無意味になりますから極力避けなければなりません。第3はひとつひとつの施策は誰のために、何故行っているのかを、優先順位を含めて平易に住民に伝えなければなりません。第4は、情報の公開用語は短いものでなければなりません。多くの住民は「マンガ」の世界で育っています。全ての情報は「マンガ」で表現することが求められていると言っても過言ではありません。最後の第5は全体を平易な表現にすることが不可欠です。情報公開の基本は住民の立場に立って行うことが大原則です。
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2.リレートーク
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  「住まい」と「繋がり」を育む社会へ〜LivEQuality(リブクオリティー)の挑戦〜

               岡本 拓也(千年建設株式会社 代表取締役社長)
■はじめに
世界第三位の経済大国である日本。その日本にも、経済的困窮や家庭内暴力、偏見のために、「住まい」や「繋がり」を失っている人がいます。不安や絶望の中で、自分やわが子の未来を信じることができなくなっている人がいます。
その傾向は、新型コロナウィルスによるパンデミック以降、加速しました。コロナ禍で、特に女性やひとり親家庭の苦境は、より一層、深刻化しています。

生きてゆく上で最も大きな負担となるのが、住宅コストです。
「住まい」は生活の基盤であり、住まいなくして人は暮らしていけません。
そして、「繋がり」のない孤独なくらしは、人の可能性を閉ざしてしまいます。
すべての人の可能性に目を向け、豊かな住まいと繋がりをどう取り戻すのか。これはわたしたちの社会が直面する大きな課題です。

■なぜ始めたのか
…私自身、学生時代に旅先のバングラデシュで出会った社会課題解決の取り組みへの感動が原点となり、公認会計士として企業再生に取り組んだ後、NPOの世界に飛び込んで教育課題や子どもの貧困を中心とした課題解決の現場と経営に向き合ってきました。

そして父親の急逝を機に2018年から家業である千年(ちとせ)建設の代表取締役社長として過ごすことになった私は、2020年にコロナ禍で世の中が混乱に陥ってゆく状況を目の当たりにし、以下の問いを何度も自問自答していました。

「こんな時だからこそ、世の中に対して出来ることは何だろう…?」
その問いを立てる中で、コロナ禍によって大きな負の影響を受け益々困難な状況に追い込まれているシングルマザーの存在を知りました。

■住まいがないことからはじまる「負のスパイラル」
色々な場面で当たり前に書かされる「住所」。住まいを失ってしまうと、行政手続きが進みません。あらゆる社会福祉サービスが原則、住所に紐づいているからです。 行政手続きができないと、仕事探しをすることができません。仕事を探す余裕がないばかりか、履歴書に書く住所がなく、仕事に就けないからです。
仕事が得られなければ、新しい住まいを得るための貯金もできません。不動産会社や大家は、収入のない人に家を貸してくれません。
こうして負のスパイラルに陥ってしまうのです。

■私たちの活動内容
この課題を解決するために、我々は以下の3つの事業を行っていきます。
1.困窮する母子に安価で気持ちの良い住まいを提供する「ソーシャル大家事業」
2.住まい相談から入居後、自立まで伴走する「ソーシャル住まい探し事業」
3.複雑な課題に対して地域の団体と協働する「コレクティブインパクト事業」

■最後に
2021年春に入居した2人の子どもを持つお母さん。初めて会ったときの彼女は、DVや転々とした生活もあってか、とても緊張した顔つきでした。しかし、周りで見守り、その時の課題に合わせ10を超える団体/組織とつながる機会を創ったことで、今では仕事を見つけ、前向きにそして笑顔で過ごしています。何より子どもたちの笑顔と成長が印象的です。

周りの人たちがちょっと気に掛けてくれ、すでに地域にある様々な資源を繋げるだけで、助けられる命があるのです。

このようなちょっとしたおせっかいが繋がることをノウハウ、仕組みにし、地域に根付かせていくことで、孤立した状態から抜け出し、生活の変化に対して前向きに向き合える女性、そして子どもが増える社会を創っていけると考えています。

この事業は、今の時代だからこそ多くの方々が必要としているものであり、同時に、これからの時代の一隅を照らすことができるものだと信じています。

そんな一歩を、多くの方々と一緒に踏み出したい。
是非この取り組みをご一緒しましょう。興味を持って下さった皆様からのご連絡をお待ちしております。

https://livequality.co.jp/

岡本 拓也(おかもと たくや) 千年建設株式会社 代表取締役社長

公認会計士としてコンサルティング会社にて企業再生業務に従事。2011年5月よりSVP東京の代表理事に就任。また同年6月に理事を務めていた認定NPOカタリバの常務理事兼事務局長に就任し、第二創業を推進。2018年より、先代の急逝に伴い家業である千年(ちとせ)建設株式会社を承継し、経営の再建に邁進。2021年4月より、生活困窮者向け住まい提供サービス「LivEQuality(リブクオリティ)」をローンチし、事業による社会課題解決を目指している。
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3.ニュース/情報ピックアップ
地方自治に関係する気になるニュースをピックアップします。
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今年の忘年会、やる? やらない? 一度途絶えると再開は難しいのか?

新型コロナ第8波の感染者数が増加している中、今のところ行動制限はかかっていない状況ですが、今年こそは忘年会を、という動きは鈍いようです。
「どうしてもやらばければ困る!」という行事ではないので、一度やらなくなってしまうと、お金と時間、そして体力を使ってまで、という人が多くなってしまうのかもしれません。
そう考えると、根っからのお酒好きな人たちは禁止されなければいろいろな理由をつけて飲みに行くのでしょうが、嫌々ながらもなんとなく付き合わされていた人たちにとってはコロナ禍での宴会自粛は勿怪の幸いだったのかもしれず、一度飲み会文化から離れてしまった人たちを連れ戻すのはなかなか骨なのではないかと思います。

★会社の忘年会「実施しない」は68.6% “必要性感じない”の声も
2022年11月15日 産経新聞

https://www.sankei.com/article/20221115-7GYPDTNBFJK4RLO6HZ7DLYOP3U/

★忘・新年会6割「しない」 予約低調飲食店嘆き
2022年11月22日 読売新聞0

https://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20221121-OYTNT50131/

★知事「忘年会は11月中に前倒しを」…感染減少傾向の「今のうちにやって」
2022年10月26日 読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/national/20221026-OYT1T50073/

★関西の企業の60% “忘年会・新年会を開催せず”
2022年11月26日 NHK

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20221126/2000068554.html

★忘年会、今年も控えめ 青森県内企業の7割「開催しない」 飲食店は嘆き節
2022年11月22日 東奥日報

https://news.yahoo.co.jp/articles/8ca29d938e523d5111b6bfa6c3f1e28b8dadb7ca

★約8割が“忘年会に参加したくない” 「お金がもったいない」「コロナ禍だから」を抑えて最も多かった理由は?
2022年11月24日 ITmedia

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2211/24/news105.html

★再び感染拡大方向に 飲食店から忘年会シーズンへの懸念の声も
2022年11月9日 NHK

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20221109/1000086581.html

★忘年会を「やる派」と「やらない派」が“きっ抗”〜11月に前倒し推奨の自治体も
2022年11月4日 RKB毎日放送

https://rkb.jp/news-rkb/202211043649/

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4.お知らせ
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☆SDGs Week EXPO2022 社会インフラテック出展のご案内

2022年12月7日〜9日までSDGs Week EXPO 2022が東京ビッグサイトで開催されます。今、全国の老朽化しつつある社会インフラ管理が全国自治体のお悩み案件です。今回、道路、橋梁、河川、交通、エネルギー、公共施設などの社会インフラの老朽化対策・維持管理技術、ソリューションが紹介されます。
また、9月のリレートークにご寄稿いただいた石川雄章代表取締役の(株)ベイシスコンサルティング(北海道大学客員教授・元東京大学特任教授)のブースも出展します。そして9日のカンファレンスではIT業界注目のエラステック社の社長との対談もご覧になれます。
詳しくは→ https://messe.nikkei.co.jp/sweb/

☆Yahoo!ニュース個人オーサー穂坂邦夫理事長の記事掲載ページのご紹介

現在、「地方公務員への提言30」の記事を連載中です。多くの方々に読んで戴き、地方公務員の改革資料にしていただけたら幸いです。
記事一覧のページはこちら→ https://news.yahoo.co.jp/byline/hosakakunio
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発行:財団法人日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員
東京都千代田区神田佐久間町2−24−301
お問い合わせ: info@jsozo.org
ホームページ: http://jsozo.org
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