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【fromJSLD】日本自治創造学会メールマガジン 新年の御挨拶

< 2021/1/1>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン 新年の御挨拶 ■■

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【新年の御挨拶】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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 穂坂 邦夫(日本自治創造学会 理事長)

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 明けましておめでとう御座います。

 昨年は様々な活動に御協力を賜わり心から厚く御礼を申し上げます。今年もまた、NPOの活動や研究大会を通じて「新たなまちづくり」への様々な提言をしてまいります。皆様の御協力を心からお願い申し上げます。

 扨て、昨年もまたコロナ感染に直面した1年でした。ようやく沈静化するのではと大きな期待を持っていましたが、オミクロンの出現によって本年もどんな1年になるのか。コロナの終息を期待しながらも、一抹の不安を感じながら新年をスタートしています。

 皆様も御承知の通り、コロナ感染による国民生活や経済活動の様々な分野で大きなダメージを受けました。特に社会的弱者と強者の差が増幅し、社会の歪みを拡大しています。国も多様な施策を打ち出していますが、地方自治体にとっても独自の施策が求められています。

 そのひとつは地域の弱者対策です。国の施策から漏れた方々に、明日への希望の持てる施策(サービス)を展開しなければなりません。さらに地方経済も疲弊しています。商店や中小企業を運営する住民の方々に必要な潤滑油を提供しなければなりません。どちらも旧態依然の方法ではなく、サービスを受ける立場に立った、発想を転換した新たな施策の展開です。

 これらの施策には新たな発想と財源が不可欠です。新たな事業の要求にややもすると「財源がない」と予算化を見送るケースが数多く見受けられます。財源は「ない」のではなく創り出すものです。コロナ感染対策にも気配りしながらの財源の捻出です。

 財源確保の最大の手段は、何と言っても現在実施している各種事業のスクラップです。かつて、カナダ連邦政府は財政危機に陥った時に各事業の予算査定に6つの原則を適用しました。第1はこの事業に公益性があるか、どうかの判定です。この事業は不特定多数の市民が受益することが出来るかということです。第2はこの事業は税を預かる行政がやる必要があるのかということです。市民が自分で出来ることは市民に委ねるという判断です。第3はこの事業は国・県・市町村のどこがやるべき仕事なのか。第4は予算化した事業は公務員がやるべき仕事か。NPOや民間に委託した方が効果的ではないか。第5は現在の執行方法でよいのか。対費用効果はベストかどうか。第6は納税者の税金の範囲内でやるためには事業の優先順位はどうか。仮に、この事業のための負担増を住民は受け入れるかどうかの6つの検証です。これらの検証によってカナダ政府の財政は見事に立ち直りました。決して困難な作業ではありません。

 地方自治体を「基本特性(弱者と強者の共生)+非営利+独占的サービス事業体」と私は位置付けています。この理念を基に各自治体は地方の公共サービス機関として、コロナで傷ついた市民や地域経済の再生を図らなければなりません。ややもすると慣行的に行ってきた従来の事業を抜本的に見直し、独自の予算査定基準を設定し、全事業のスクラップアンドビルドに挑戦しなければ新たな財源は生み出せません。

 全ての自治体が、自立する・個性的なまちづくりを目指し、生き生きとした新たな地域社会を創造することが、コロナ禍からの新たなスタートになるのではないでしょうか。

 本年も宜しくお願い申し上げます。

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発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員

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お問い合わせ: info@jsozo.org

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