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【fromJSLD】日本自治創造学会メールマガジン第66号

< 2021/6/15>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第66号 ■■

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【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.巻頭寸言
  穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)
2.リレートーク
  村本 祐聖(東京大学教養学部文科二類・学生団体GEIL2021代表)
3.ニュース/情報ピックアップ
4.イベント情報
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1.巻頭寸言
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〜役割分担の明確化を図る〜
“優良店の指定や看板設置は区・市町村の業務”

穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)

 東京都では飲食店における酒類の提供に“都指定の優良店”を許可したが、実態はどうだろうか。都内には11万を超える飲食店があります。優良店への指導が完全には行われていない状況や指定店の営業実態が許可条件と大きく異なるお店が続出し、多くの批判を呼んでいます。
 東京都が短期間で、様々な規制をクリアしたお店をつぶさに検証し、合格点をつける作業や監視を行うことは限られた職員数や地域と離れた日常の業務等を考えた時、不可能と言ってもいいかもしれません。
 昨年から本欄でわかりやすい「役割分担の明確化」の事例に飲食店における優良店の指定は、都道府県ではなく地域に密着し地元事情に詳しい区・市町村が担当すべきと言ってきましたが、修正ができずこの様な状態が続いていることは極めて残念でなりません。
 「役割分担の明確化」が図られないまま、コロナへの対応によって行政効果が発揮できなかった事例は数多くあります。例えば保健所の運営や病院の管理は地方自治体に委ねられてきましたが、突然国が都道府県を超えて強化策や対応策を打ち出しましたが、いずれも大きな成果を上げることは出来ませんでした。
 この様に、コロナによって浮き彫りにされた「役割分担の明確化」を急ぐことが、我が国の大きな課題となっています。税金のムダ使いを無くし、行政効果を上げる唯一の手段であるからです。監視機能を持つ、国会や地方議会のリーダーシップに改めて期待をしています。

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2.リレートーク
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プラスチックゴミと環境

村本 祐聖(東京大学教養学部文科二類2年、学生団体GEIL2021代表)

 私は広島県の海に近い街で高校まで過ごし、現在東京で一人暮らしをしている東京大学の2年生です。
 私は今サークル活動として「学生のための政策立案コンテスト」を実施する学生団体GEILで代表をしています。弊団体が6月の末に行ったコンテストでは、プラスチック問題について取り扱い、改めて自分の周りのプラスチック問題を考え直すきっかけとなりました。

 サークルの活動を始めるまでは、山のように降り積もったプラスチックゴミや、プラスチックゴミによって怪我をしてしまったウミガメの姿など、どこか私の住んでいる世界とは違う世界のように感じていました。私がプラスチックがもたらす環境問題についてはっきりと意識をし始めたのは、つい最近のことです。

 私が小さい頃よく遊んでいた瀬戸内の海辺には年々たくさんのプラスチックゴミが流れ着いています。それだけではなく釣り人や観光客、さらには生活者の出したゴミが水面に浮かんだり、磯辺に流れ着いている様子を友人や知人から聞き悲しくなってしまいました。これから先の未来にゴミはどんどん増えていき、自分の子や孫の世代には私が記憶する綺麗な瀬戸内の海が失われてしまうかもしれないと思うとぞっとしたのです。

プラスチックはリサイクルをすることができるにもかかわらず、リサイクルされずに廃棄されたりポイ捨てされたりしてたくさんのゴミが生まれてしまっています。しかし、プラスチックゴミの問題は私たちの意識や行動を変えるだけで大きく環境への負荷を減らすことができると思います。

 外食する際に不必要なストローを使わないようにする、ペットボトルの飲み物を飲む代わりに水筒を持ち歩くようにする、食品やネットショッピングの過剰包装を減らすなど、プラスチックゴミを減らすために私たちがやれる手段はたくさんあります。しかし、現実は目先の便利さが優先になりがちです。若者たちが生きる未来社会をどんな社会にしたいのかを、一人でも多くの人たちと共に考えながら良くしていく方策を議論し行動したいと強く思っています。

 生活者の意識が変わり、生活の中でプラスチック製品の選択を避けるだけでなく、リサイクルの仕組みを構築し、リサイクル技術の開発など、プラスチックリサイクルの新しいビジネスチャンスへの支援などへの大いなる関心が深まりました。海洋プラスチック問題解決はなかなか簡単な様で難しい面も多いですが、私自身も海洋プラスチックの現状や課題を学ぶことで、自分自身がプラスチックゴミを減らすだけではなく、一人でも多くの人達と問題を共有しながら、具体的な行動の輪が広がることをこの夏は目指しています。

 この夏の「学生の政策コンテストGEIL21」は8月23日〜9月4日の期間に開催いたします。コロナ禍で本年のコンテストはオンラインで行ないます。テーマは「環境・循環型社会」で、全国の大学生が論文審査で選ばれた80名の参加者は4人チーム(事務局でアトランダムでメンバー編成)となり、20組が政策形成にチャレンジします。環境問題に取り組む研究者、自治体の方々、NGO、NPO、霞が関の方々からのヒアリングやアドバイスをいただき、各チームが喧々諤々の白熱議論を12日間重ねて提案を作成します。そして各チームがプレゼンをしながら予選、決選に臨みます。

 是非、読者の方々に山・里・川・海で実施されている良き事例やアドバイスなどいただきたいと思っています。
 学生ということもあって考えの浅い部分もあるとは思いますが、精一杯頑張って環境問題について考えていこうと思っています。よろしくご指導賜りたくお願いを申し上げます。

村本 祐聖(むらもと ゆうせい)

広島県広島市出身、2001年生まれ。現在、東京大学教養学部文科二類2年。サークル「学生団体GEIL2021」代表

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3.ニュース/情報ピックアップ

地方自治に関係する気になるニュースをピックアップします。
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コロナ収束後、東京から人口は流出するのか、それとも東京一極集中が再加速するのか

最新の2020年国勢調査の結果が出ました。少なくとも日本全体での人口は予測どおりに減り続けているのですが、その中でも気になるのが地方の人口減少、それも「社会減」と言われる人口流出です。
人口としては、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、滋賀、大阪、福岡、沖縄以外の38道府県で人口が減少。逆に首都圏1都3県では、約81万人増えて、人口の偏在は加速していることもわかりました。コロナの影響で「東京脱出」が加速するという期待もありましたが、リモートワークが進んでも完全に出社しないという勤務形態は難しく、都心回帰とも言われた人口集中が首都圏の中で緩やかになっただけに留まっているようにも思われます。

★日本の人口1億2622万人 20年国勢調査、5年で86万人減
2021年6月25日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA188BJ0Y1A610C2000000/

★日本の総人口、5年で86万人減 首都圏は増 国勢調査
2021年6月25日 朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASP6T2R83P6SUTFK01R.html

★コロナ後の少子化戦略急務 人口減少進む日本
2021年6月25日 産経新聞

https://www.sankei.com/article/20210625-H5J425VDQ5PTTAPOVULJTO2TNM/

★20年国勢調査、大都市へ人口集中加速 単身世帯広がる
2021年6月25日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA188OD0Y1A610C2000000/

★人口減で労働力低下加速 人手不足が経済成長の重石に
2021年6月25日 産経新聞

https://www.sankei.com/article/20210625-OSQJK6HI7RIXNH3IYF7PMFIBXA/

★進む地方との「二極化」 少子化対策急務も解決策見通せず
2021年6月25日 毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20210625/k00/00m/040/419000c

★新潟県の人口、戦後最少に 長野県は45年ぶり低水準
2021年6月25日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC255EY0V20C21A6000000/

★「地域の存続困難に」コロナ禍、人口減に拍車 国土交通白書
2021年6月25日 産経新聞

https://www.sankei.com/article/20210625-ZMSGDHT3BBIB7BRXVNJGCYL6TE/

★新たなライフスタイル!? 「転職なき移住者」を巡り自治体が争奪戦
2021年6月9日  テレビ東京

https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2021/023915.html

★高まる「東京脱出」熱。移住相談が急増したのは「魅力度ランキング最下位」常連だったはずの茨城県
2021年6月6日 婦人公論

https://fujinkoron.jp/articles/-/3911

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4.イベント情報
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発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員

東京都千代田区神田佐久間町2−24−301

お問い合わせ: info@jsozo.org

ホームページ: http://jsozo.org
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