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【fromJSLD】日本自治創造学会メールマガジン第55号

< 2020/7/15>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第55号 ■■

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【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.巻頭寸言
  穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)
2.リレートーク
  宍戸 幹央
  (一般社団法人Zen2.0共同代表理事/鎌倉マインドフルネス・ラボ(株)代表取締役)
3.ニュース/情報ピックアップ
4.イベント情報

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1.巻頭寸言

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「コロナが教える国と地方の役割」

  穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)

 新型コロナの感染が再び増加している。政府が推進しているGoToトラベル事業や今になってのマスクの配布に様々な批判が寄せられている。全国知事会は緊急事態法の地域設定を県単位から市町村単位にすべきだと国に申し入れをした。
 これら様々な問題は国が全ての権限を保有し、地方に委ねようとしない旧態依然の姿勢で、言いかえれば役割分担の明確化が図られない所にある。トラベル推進事業にしても、国は全国一律の基本的な方針を定めることにとどめ、実施については地方に委ねることで感染防止と地方振興の両立に必要な様々な工夫や知恵が発揮される。必要な財源は国が地方に交付することで解決できる。マスクも同様で個人はもとより地方の医療機関にとって必要な医療物資は様々に変化し、異なっている。PCR検査の拡大も国がいくら号令をかけても実現することが出来ず、地方がそれぞれ自力で対応している現実が証明している。
 国は全国一律の基本的な方針や財源の確保を担当し、多様性や個別的な対応を必要とする役割は地方に委ねることが重要です。分権の推進、いわゆる役割分担の明確化が強く求められています。

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2.リレートーク

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「禅とマインドフルネスを土台にした街づくり」

 宍戸 幹央(一般社団法人Zen2.0共同代表理事/鎌倉マインドフルネス・ラボ(株)代表取締役)

  鎌倉にはカマコン(https://kamacon.com/)という“この街を愛する人を全力支援”というコンセプトで展開する地域コミュニティがあります。カマコンは民間のITベンチャー企業同士が協力して2013年に生まれました。カマコンでは毎月第3木曜日の夜に集い、様々な思いを持った人が実現したいプロジェクトをプレゼンし、“全部じぶんごと”をキーワードに、その実現に向け参加者が興味あるプロジェクトを協力しあうコミュニティです。元々はITベンチャー企業中心でしたが、現在は、市長や市役所職員、地元の飲食店など様々な方が集うコミュニティになっています。

 その中で生まれたのが、私が共同代表を務める「禅とマインドフルネスの国際カンファレスZEN2.0(https://zen20.jp/ )」です。マインドフルネスは簡単にいうと瞑想や坐禅などを通して、“今、この瞬間に集中し、気づきに満ちた意識状態となり、その状態を大事に日々の行動をとっていくあり方です。自分自身の心身の健康だけでなく、他者への共感性を育むものでもあることから、現在多くの欧米企業でマインドフルネスの研修が導入されたり、イギリスなどでは国を上げて医療現場等への導入を促進する試みがあるなど世界中に広がっています。

 そのような動きがある中で、マインドフルネスに繋がる禅の歴史の積み重ねがあるここ鎌倉が、マインドフルネス を地域で実践している世界のモデル地域(「マインドフルシティ鎌倉」)となることを目的として、2017年9月、第1回のZen2.0が鎌倉五山第一位の建長寺にて開催されました。第1回のZen2.0は国内外の様々な分野から20名以上のスピーカーを迎え、2日間にわたってのべ450名近い方々が鎌倉のみならず東京やその他の国内外から参加してくれました。

 第1回以降は、毎年新たなテーマを設定して、年に一度規模を拡大しながら開催しています。また、Zen2.0の特筆すべきポイントとしては、企画・運営を全てボランティアが行なっている点が挙げられます。当日ボランティアも含めると毎回約100名程度のスタッフがいるのですが、中には過去のZen2.0に参加した方が翌年はボランティアスタッフとして関わってくれるなどボランティアメンバーの広がりも回を追うごとに大きくなっています。

 また、Zen2.0は海外からの参加者にもより深い学び・体験ができるよう、第1回からほぼ全てのセッションで通訳を設置して開催しています。そのような取り組みの中で、Zen2.0に登壇してくださったご縁からスタンフォード大学のスティーブン・マーフィー重松先生が学生向けに鎌倉でマインドフルネスに繋がる日本の文化体験をする授業を実施されたり、ブータン共和国の国会にあたる国家評議会で要職を歴任後、ハーバード大学ケネディースクールで学び、幸福を多面的に研究する組織“ Institute of happiness”を創設されたKinga Tshering氏が「マインドフル・シティ鎌倉」の構想を聞きたいとうことで鎌倉に話を聞きに来てくださるなど国際的な交流も生まれています。

 今年第4回目のZen2.0のテーマは“Mindful Planet(マインドフル・プラネット)”です。今年はコロナウィルス拡大防止のためオンラインでの開催になりますが、オンラインだからこそ地方や海外からも参加しやすいという利点もありますので、己に気づき、自然の摂理に学び、魂のつながりを深める禅やマインドフルネスの精神がより多くの方々に拡がり、「マインドフルシティ鎌倉」を起点に慈愛に満ちた世界になっていくことを期待しています。

宍戸 幹央(ししど みきお)
東京大学大学院 新領域創成科学研究科卒。日本IBMを経て、人材育成アルー株式会社の創業期に参画。企業の組織開発・人材育成の現場にて経験を積み、鎌倉マインドフルネス・ラボ株式会社を設立。変化の時代にイノベーションを起こす企業組織、”学習する組織”の形成支援にマインドフルネスを取り入れた組織開発および人材育成研修を展開。
鎌倉を拠点に禅やマインドフルネスなど意識の世界とテクノロジーが融合し、共感に満ちた新たな共生社会”マインドフルシティ鎌倉”の実現に向けた様々な活動を展開する。

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3.ニュース/情報ピックアップ

地方自治に関係する気になるニュースをピックアップします。

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ハンマーかダンスか? コロナ第二波は本当に来るのか?

7月22日からGo To トラベルキャンペーンが開始され、東京を中心に急増している感染者が全国に拡大するのではないかと危惧する声が聞かれます。
「東京の患者が全国にコロナをばらまく」と心配している人が多いようです。まあ、旅行のイメージが「旅先で芸者を上げて大宴会、二次会は夜の街に繰り出せ!」という昭和チックなスタイルであれば眉をひそめる人の気持もわからないではないですが、そんな旅行スタイルがいまだに主流であれば、団体旅行向けの温泉街のホテルがバタバタと潰れるはずはありませんし、家族旅行など現在主流となっている個人旅行なら感染拡大のリスクも低いので地方の観光事業者の経営維持のためには少人数での旅行はありがたいのではないかと個人的には思います。
さて、現在の状況が、「ハンマー&ダンス」の「ダンス」の状況なのか、はたまた再度「ハンマー」を振り下ろさなければならない「第二波」なのか、政府は難しい判断を迫られているところですが、そもそも緊急事態宣言時と現在では検査能力が大きく異なっており、単純に比較できないのが悩ましいところです。
感染症の収束が見通せない中、感染拡大防止と経済の両立というトレードオフ関係の間で、今後も難しい舵取りが必要とされ続けるものと思われます。

★感染再拡大、3つの懸念 情報把握・陽性率・入院数
2020年7月25日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61921910V20C20A7EA2000/

★陽性率の上昇、止まらない 重症者が増え専門家に危機感
2020年7月24日 朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASN7S6JVPN7SULBJ003.html

★首相「緊急事態宣言、出す状況にない」感染者の増加受け
2020年7月24日 朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASN7S65QBN7SUTFK00D.html

★観光地 感染拡大で期待と不安 “GoTo”4連休初日
2020年7月24日 FNN

https://www.fnn.jp/articles/-/66224

★東京都、感染経路「夜の街」から多岐に 年齢層広がる
2020日7月17日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61680800X10C20A7CC1000/

★週のはじめに考える ダンスをうまく踊る
2020年7月26日 東京新聞

https://www.tokyo-np.co.jp/article/44905

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4.イベント情報

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発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員

東京都千代田区神田佐久間町2−24−301

お問い合わせ: info@jsozo.org

ホームページ: http://jsozo.org
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