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【fromJSLD】日本自治創造学会メールマガジン第26号

< 2018/2/15>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第26号 ■■

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【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.巻頭寸言
2.リレートーク
  穂坂 邦夫(地方自立政策研究所理事長)
3.ニュース/情報ピックアップ
4.イベント情報
  第10回2018年度日本自治創造学会研究大会 最新情報

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1.巻頭寸言
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「直言」

          穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)

 私は市長時代に地方交付税が半減されても生き残るため、行政のプロ職
員25%と住民の有償ボランティアで市政を運営する「地方自立計画」を
職員と共に立案したことがあります。
 首長と議会は前例を捨て、自治体運営の抜本的改革に取組み、住民と共
に新しい地域を創造することが求められています。

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2.リレートーク
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【2月10日付 東京新聞掲載】
            
<談論誘発>国と地方のムダ18兆9000億円に 役割分担を明確にして
◆地方自立政策研究所理事長・穂坂邦夫氏(ほさかくにお)

 地方の自立と住民自治の実証は、地方自身の責任といえる。「地域力が
国の基盤」という誇りを持ち、地方自身がさまざまな改革を実現し、これ
らの実績を通して国民に自覚を促し、地方から国を変えることが求められ
る。

 国と地方の行政実務者は業務に懸命に取り組んでいると思う。しかし、
前例を変える事は避けて通る。システムを作り上げた先輩への遠慮や未知
への恐れもあるかもしれないが、システムによるムダは誰からも非難され
ない。

 経済が拡大し、税収が増え続けた時代は、疲弊した地方を一挙に再生す
るため、過剰とも思える行政サービスが生まれ、国と地方の行政構造シス
テムに内包された多くのムダも黙認された。

 国が地方を支配し、保護する「中央集権システム」。このシステムは地
方全体を全国一律「護送船団方式」で運営する。地方の個性を無視し自立
や自己責任を放棄させ、行政経費の大幅なムダ遣いと地方の衰退を生ん
だ。徹底した国の保護行政である。

 地方の要求とはいいながら官の押しつけに近いさまざまなサービス事業
を拡大し続けた結果、地方事業の九十六兆八千億円(国の事業とほぼ同
額)のうち約四十三兆円(二〇〇八年調査)が福祉的事業以外の選択的事
業として現在も実施されている。さらに不必要であっても使い切らなけれ
ばならない国の補助金制度がムダに追い打ちをかける。

 国と地方の行政構造システムによるムダ遣いは、私たちの「国と地方の
役割分担明確化研究会」の検証では、十八兆九千億円にも上る。なんとほ
ぼ消費税収分に匹敵する。さらに、過疎化に立ち向かう手段を国に託した
地方の衰退は加速し続けている。

 これらの解決策は、国と地方の役割分担を明確にすることに尽きる。現
在の国と都道府県と市町村の事務事業(行政サービス)の一つ一つをどの
行政体が事業主体としてベストかを分別する。

 廃止する事業も多い。補助金の廃止や交付税の算定も明確になる。特に
地方の広域的な事業を担当する都道府県は市町村と同額の行政経費(約四
十八兆円)を費消しているが、多重行政の弊害が特に大きく、大胆な改革
が求められる。この改革で、地方の自己責任は回復し、自治体の将来を国
の関与・保護から、首長と市民の力量に委ねることになるだろう。  

 この改革は政治家の決断で実現してほしい。「二〇二五年問題」の対応
などでわが国はこれから膨大な行政経費が必要で、それには十分な財源の
確保が求められる。

 1941年生まれ。埼玉県志木市議会議長、同県議会議長、同市長など
歴任。05年に地方自立政策研究所設立。

<2025年問題> 第2次世界大戦後の1947~49年のベビーブー
ムに生まれた団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる年。25年以降
は約2200万人、つまり4人に1人が75歳以上という超高齢者社会が
到来する。これまで国を支えてきた団塊の世代が給付を受ける側に回るた
め、医療、介護、福祉サービスの需要が高まり、社会保障財政のバランス
が崩れると指摘されている。例えば、高齢者になれば病気にかかるリスク
が高まる。生涯医療費の推移をみると、75~79歳がピークを迎える。
そして70歳以降に生涯の医療費の約半分がかかるとされている。

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3.ニュース/情報ピックアップ

地方自治に関係する気になるニュースをピックアップします。
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目下、国会で審議中の平成30年度政府一般会計予算。社会保障費などの
増大に幼児教育無償化などの新規施策も加わって、総額は97.5兆円。財
源に占める国債(借金)は33.7兆円で、基礎的な財政収支(プライマ
リー・バランス)は10.4兆円の赤字。国債の発行残高は883兆円に達す
るとされ、財政問題は深刻さを増しています。しかし、最近、メディアで
報じられるものの、国政の場では目立った論議がありません。
今回は、国の財政問題についての最近の報道のほか、「政治が厳しい現実
に向き合えないのはなぜか」という視点での識者対談を紹介します。

★基礎的財政収支、20年度の赤字幅拡大 財政の悪化進む
 1月24日 朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASL1R73Y4L1RULFA00B.html

★焦点:迫る「2025年問題」、財政再建後ろ倒しが招く真の懸念
 1月23日 Newsweek Japan

https://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2018/01/206802.php

★コラム:希薄化する財政再建意欲、黒字化は見果てぬ夢か=大和証券
チーフエコノミスト永井靖敏氏 2月5日 ロイター

https://jp.reuters.com/article/column-yasutoshi-nagai-idJPKBN1FM16H

★ 対談=「次世代への負担の先送りを止められないのは何故か」
 島澤諭(中部圏社会経済研究所主席研究員)×小黒一正(法政大学教
授)×亀井善太郎(PHP総研主席研究員)  2月8日 PHP総合研究所

~シルバー民主主義「論争」を超えて<1>~

https://thinktank.php.co.jp/kaeruchikara/4445/

 ~シルバー民主主義「論争」を越えて<2>~

https://thinktank.php.co.jp/kaeruchikara/4487/?Page=5

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4.イベント情報

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第10回2018年度日本自治創造学会研究大会 最新情報

〔大会テーマ〕
 人生100年時代の地域デザイン~人口減少社会に向き合う地域社会~

 日時:平成30年5月10日(木)13:00~17:40
           11日(金) 9:30~14:55
 
 場所:明治大学アカデミーコモン棟3階アカデミーホール
   (東京都千代田区神田駿河台1-1)

 参加費:会員 13,000円(年会費2,000円、2日間大会参加費・資料代含む)
     非会員15,000円(2日間大会参加費・資料代含む)

     ※大学院生会員参加費2,000円、大学院生非会員参加費3,000円

     改革発表会兼交流会(参加費1,500円)

 ※プログラム内容・参加申込等詳細については後日、ご案内いたしま
す。

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発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員

東京都中央区日本橋馬喰町1-12-2タック馬喰町707

お問い合わせ: info@jsozo.org

ホームページ: http://jsozo.org
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