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【fromJSLD】日本自治創造学会メールマガジン第17号

< 2017/5/15>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第17号 ■■

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【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.巻頭寸言
2.改革発表事例集より~2016年5月ベスト5選出 その3~
  松永 裕美(遊佐町議会議員)
3.ニュース/情報ピックアップ
4.イベント情報

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1.巻頭寸言

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 「直言」

           穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)

 GDPの2.21倍という超財政悪化の我が国は、後僅か8年余りで医療・介護費用のピークを迎える。現在を大幅に超える巨額な増加である。消費税などの大幅なアップが必至だが国民は容認するだろうか。
 財政悪化の難局を乗り越えるためには、私達が既に実証した「国と地方の役割分担を明確にして、国民の痛みを伴わない約30兆円の新たな財源を創出」することが国民に求められる唯一の手段ではないだろうか。

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2.改革発表事例集より~その3~

2016年5月、第1回改革発表会でベスト5に選出された取組み内容をご紹介します

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「地方における一番新しい取り組み」

           松永 裕美(遊佐町議会議員)

私の町はあまり有名でございませんので、まずは地理を御紹介させていただきます。

山形県にあり、遊ぶという字と佐藤さんの佐の字で遊佐(ゆざ)町と読みます。人口は約14000人です。今日は「地方における一番新しい取り組み」を発表させていただきます。

財政難ニッポンにおいて疲弊した地方の生き残りをかけ、町は試行錯誤を繰り返し、もがき苦しんでいます。人口が激減し空き家を抱え明るい未来を描ける筈もありません。しかしピンチにおいて強いのは女性です。母です。まわして頂ける予算を国に期待できない現状であれば、我々町の個性を生かした方策を絞り出すしかありません。そもそも古代人類は家族を最小単位として「助け合いの心」で子孫を繋いできたわけで、我が町も人口1万4千人足らずのコンパクトさを長所に予算に頼らない善意の心たのみで、これからの苦難を乗り切ろうと考えました。

2016年2月19日、15人の有志が集まり(全て女性)町のために何が出来るか話し合いました。それから何度か討論を重ね、次のような取り組みのアイディアがまとまりました。都会にあって田舎にないものだらけの世の中で、我が町は庄内平野を担う農業に従事する世帯も多く、本宅の他に土蔵(どぞう)と呼ばれる蔵をもつ家も多くあります。そこには現代において全く表舞台で活躍する機会が激減した“着物”が多数眠っている事実があります。日本の美しい文化“着物”が消え去ろうとしている今、東北の地方から“着物”に光をあて、世界に向けて発信していくチャレンジを試みることにしました。国や町の予算をあてにせず、頼るのは人の「心」「優しさ」「善意」、この三つのみ。幸いにも約3億3千万もの予算をかけ町が建設した町づくりセンターを我が町は所用しています。そこで地元のボランティアで動いて下さる建設関係の方や設計をして下さる方、着物を所有する町民の方々の力をかり、ランウェイを設営し、美しい日本の美「着物」を町民の女性に着てもらい「パリコレ」ではなく「Yuza(ゆざ)コレ」を開催したいと考えております。モデルも着付けもヘアメイクも、出来る人がする善意の心がこの取り組みを成功させると思っています。

世界にこの取り組みを発信するには、ランウェイを歩いた後、「着物で百m何秒で走れるか」世界ギネスに挑戦する事もできるのではと視野に入れています。今ある物や建物などの有効利活用、これが全てです。

本日講演された神野先生(東大名誉教授)の「暖かい手と手をつなぐこともない、旅立ちの苦しみ」(セネガル初代大統領)のお話をされておりましたが、私はこの言葉を少し変えて、私達の町からは「暖かい手と手をつないで、幸せへの旅立ち」ということを目標にこれからも前向きに取り組んでいきたいと思います。

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3.ニュース/情報ピックアップ

地方自治に関係する気になるニュースをピックアップします。

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「保育園落ちた、日本死ね」のワンフレーズから、国と地方の双方で湧き上がる「次世代育成」支援策。待機児童をなくす取組の次は教育ということで、東京都は小池都政が新年度から私立高校授業料を実質無料化。
そのインパクトが消える間もなく、今度は安部首相が「自民党総裁」として憲法改正で「高等教育無償化」を書き加えることを明言しました。
学校教育法によれば、高等学校は「後期中等教育」で、高等教育は大学や短大や専門学校のこと。つまりゆりかごから大学まで、お金をかけることなく次世代を育てられる国にしようということ。
今、地方の次世代育成費教育費、児童福祉費の総額は約24兆円で、地方の歳出総額の4分の1。地方では、高齢者福祉よりも次世代育成に多くの予算を使っており、ゆりかごから大学までの無償化の影響は甚大。よそ事ではありませんし、国がやろうというのだから国が全部出すだろうと高をくくってもいられません。
それにしても「社会保障と税の一体改革」の成果も見えない中、840兆円の借金を抱える国とはとても思えぬ政治の動きです。

★高等教育は「個人利益」 財務省、公費での無償化に慎重(2017年5月10日ロイター)

http://jp.reuters.com/article/mof-education-idJPKBN186129

★教育無償化 自民が変節 旧民主党政権時「バラマキ」批判
(毎日新聞)

https://mainichi.jp/articles/20170510/k00/00m/040/215000c

★教育無償化めぐり自民党内バトル マスコミ巻き込み「財源論争」(2017年5月5日 J-castニュース)

https://www.j-cast.com/2017/05/05296315.html?p=all

★自民党・小泉進次郎衆院議員 こども保険批判に問い返す「子供は『社会の宝』じゃないんですか?」(2017年5月9日 産経ニュース)

http://www.sankei.com/premium/news/170509/prm1705090005-n1.html

教育の話は下世話ではありますが、高等教育を受ける機会が与えられることと高等教育を平等に受けられることとの間には天地の差があるように思います。

★「学歴なんて関係ない」の真実 生涯賃金これだけ違う(2017年5月10日 日本経済新聞)

http://style.nikkei.com/article/DGXMZO15805150X20C17A40000

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4.イベント情報

イベント情報をお知らせするコーナーです

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いよいよ今週のイベントです!!

≪第9回2017年度日本自治創造学会研究大会≫

〔大会テーマ〕
 人口減・高齢化を乗り越える~前例から創造へ~

 日時:平成29年5月18日(木)13:00~17:35
           19日(金) 9:30~14:55 
 場所:明治大学アカデミーコモン棟3階アカデミーホール
   (東京都千代田区神田駿河台1-1)
 参加費:会員 13,000円(年会費2,000円、2日間大会参加費・資料代含む)
     非会員15,000円(2日間大会参加費・資料代含む)
 ※大学院生会員参加費2,000円、大学院生非会員参加費3,000円
  改革発表会兼交流会(参加費1,500円)
〔プログラム〕
第1日目〔5月18日(木)〕
12:00  開場・受付
 開会
13:00~13:40 大会挨拶・理事長講演
        「地方議員のマナーと新たな議会の責務-地方再興に挑戦する具体策ー」
        穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)
13:40~14:30 講演「人口減に挑む-解決への処方箋-」
        吉川 洋(立正大学教授・財政制度等審議会会長)
14:30~14:40 質疑
休憩 10分
14:50~15:40 講演「自治体のスマート改革-東京と大阪の経験をふまえて-」
        上山 信一(慶應義塾大学教授・都政改革本部特別顧問)
15:40~15:50 質疑
15:50~17:20 パネルディスカッション
       「人口減少と高齢化を乗り越える-自治体と地方議会の挑戦-」
       パネリスト(50音順)
        牛山 久仁彦(明治大学政治経済学部教授)
        金井 利之(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
        土居 丈朗(慶應義塾大学経済学部教授)
        宮台 真司(首都大学東京都市教養学部教授)
       コーディネーター
        佐々木 信夫(中央大学経済学部教授)
17:20~17:35 質疑
17:45~20:00 改革発表会兼交流会~改革大発信・ベスト1の選出・親睦・交流~

第2日目〔5月19日(金)〕
9:30~10:15 講演「財政と民主主義の将来-トランプ大統領の影響-」
       小林 慶一郎(慶應義塾大学教授・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
10:15~10:25 質疑
10:25~11:05 講演「人口減少社会における地域づくりの展望」
       牧 慎太郎(総務省地域力創造アドバイザー・独立行政法人水資源機構理事)
11:05~11:15 質疑
11:15~11:55 講演「自治体改革の実現力」
       元吉 由紀子(自治体改善マネジメント研究会代表)
11:55~12:05 質疑
12:05~13:00 昼食(12:40 学会総会)
13:00~13:45 講演「人口減における自治体イノベーション」
       今井 照(福島大学行政政策学類教授)
13:45~13:55 質疑
13:55~14:40 講演「地方議会の役割と再生-メディアと市民の視点から-」
       谷 隆徳(日本経済新聞編集委員兼論説委員)
14:40~14:50 質疑
14:50~14:55 閉会挨拶 荒田 英知(日本自治創造学会幹事)

お問合わせ・事務局 TEL03-5623-0472
          E-MAIL info@jsozo.org
お申込みURL: http://jsozo.org/contact/mail.php
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発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員

東京都中央区日本橋馬喰町1-12-2タック馬喰町707

お問い合わせ: info@jsozo.org

ホームページ: http://jsozo.org
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