< 2016/3/15 >━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第3号 ■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.“速報”第8回日本自治創造学会研究大会 講師の横顔
2.リレートーク
佐々木信夫(中央大学教授、前・本学会会長)
3.ニュース/情報ピックアップ
4.イベント情報
************************************************************************
1.“速報”第8回日本自治創造学会研究大会 講師の横顔
~第8回(2016年5月12日~13日)研究大会講師の横顔です~
************************************************************************
≪第1日目・5月12日(木)≫
中邨 章 “地方議会人の挑戦~ 議会改革の実績と課題~”
□中邨さんは現在当学会の会長・理事であると共に明治大学の名誉教授です。か
つて同大学の教授・副学長を務められた中邨さんは“地方自治教育の専門機関で
ある「自治大学校」の指導者としても活躍されています。
神野 直彦 “国民国家の権限と地方分権”
□神野さんは東京大学の名誉教授ですが、2016年1月まで“地方自治体の財政を左
右する「地方財政審議会会長」”を務めていました。2015年6月にはNHK出版か
ら“参加保障型の福祉社会をつくる「人間国家への改革」”を出版し大きな反響
を呼んでいます。
中井 徳太郎 “~新たな地方づくり~ 森・里・川・海と住民・議会・自治体”
□中井さんは現在、環境省大臣官房審議官ですが、財務省の出身です。森・里・川・
海を再生することによって新しいまちづくりを目指す国家的プロジェクトのリーダー
です。地域を主体としながら国家の支援方式によって、地方の再生を図る新たな試み
が進められています。
村木 厚子 “~福祉でまちおこしを~国と連携する保育・医療・介護の取組み”
□村木さんは女性として、厚生労働省の事務方のトップである事務次官を務められま
した。地方が実践する保育や医療・介護分野は、国の施策と強く連動し、国の動向か
ら目が離せません。地方の最重要課題である保育所の増設や高齢社会に対応する介護
・医療の充実を図る新たなまちづくりが、いまこそ求められています。
≪第2日目・5月13日(金)≫
藻谷 浩介 “地方自治の課題と再生”
□藻谷さんは日本総合研究所主席研究員ですが“里山民主主義”や“デフレの正体”
など数多くのベストセラーを出版され、講演依頼が殺到する超売れっ子のひとりです。
それぞれのベストセラーは、地方に隠された様々な病理や可能性を、現場からの視点
と具体的な数字によって分かりやすく明らかにし、多くの共感を呼んでいます。
小西 砂千夫 “地方財政の現状と将来”
□小西さんは関西学院大学大学院経済学研究科の教授です。特に地方財政と連動する
国家と自治体の仕組みや、地方財政の動向について明解な分析眼を持っています。20
02年9月に“日本経済新聞社から出版された「地方財政改革論」”は地方財政を学ぶ者
のバイブルとして、今でも高く評価されています。
金井 利之 “~地方創生を考える~ 地方創生のあり方”
□金井さんは東京大学大学院法学政治学研究科の教授ですが、地方と国の関係について、
極めてユニークな切り口と明確な分析が注目されています。特に“地方創生のあり方”
については、様々な問題点を指摘すると共に地方自身の主体性の回復と国の地方に対す
る施策のあり方について新たな発想を求めています。
木村 俊昭 “~地方創生を考える~ 地方創生のとらえ方とその成果”
□木村さんは東京農業大学生物産業学部の教授です。特に地方の現場を熟知し、多様な
視点で地方の再生と振興等を図る第一人者です。木村さんが“国が指導する地方創生を
どうとらえ、どう活用し、どのような成果をあげているか”について、現場の視点と具
体的な事例を含めた講演が期待されています。
************************************************************************
2.リレートーク
************************************************************************
新たな、『地方議員の逆襲』(新書)という本で応援します!
佐々木信夫(中央大学教授、前・本学会会長)
*
この学会が創設されて満6年。早いといえば早い月日の流れですが、創設時に学会名
から規約作成、第1回~第3回(2年目秋の仙台大会)まで計3回の大会運営に直接携
わった者として、感無量です。
地方議員を中心とした政治学会はできないものか―本学会の創設のとき、穂坂邦夫さ
ん(理事長)から相談を受け、それじゃ~考えましょう、との会話で始まったのが、こ
の学会です。学術と実践を結びつけるユニークな学会として成長している本学会の動き
を、うれしく見ています。
*
一方で、世の動きに気になることがあります。
どうみても地方の政治がパッとしないのです。地方分権の時代と言われて久しいです
が、地域の自立、地方自立の動きが明確な形で表れてこない。
その要因は、中央集権型システムをそのまま温存し、東京一極集中を事実上「是」と
し東京膨張を放置している点は否めないですが、同時に一方で、自己決定・自己責任・
自己負担を原則とする地方自治の担い手が、地域主権型の自立した地域づくりへ狼煙を
上げない。どうもパワーに欠けるのではないか。とくに地方議会、地方議員がもう一つ
ダイナミズムな動きにない、というのが私の危惧する点です。
*
これではダメだという問題意識から、この度、講談社の新書として『地方議員の逆襲』
(現代新書、3月20日刊、¥840)という本を出し、応援することにしました。映画”ゴ
ジラの逆襲”というように「地方議員の逆襲」という表現はただならぬ表現で奇抜です
が、ダメだダメだと叩かれがちな地方議員の皆さんの奮起を促そうとつけたもの。もと
もとは私のおとなしい性格から、『地方民主主義の再生―地方議員は変われるか」とい
う書名を提示していたのですが、それではぬるい、と編集者が勝手に変えたのがこのタ
イトルです。
*
公共分野が拡がり続け、税金の負担が年々重くなっている日本。その3分の2を使っ
ている各地域の自治体で議会制民主主義の空洞化が深く進行し、議員のなり手がなく、
地方議員の活動がパッとしないなら、この国はどこへ進むか分からない。
もう国任せで行政がうまく回る時代ではありません。中央集権型地方創生ではなく、
地域主権型地方創生、各地が自力で地方の活性化に取り組む時代に入っています。報酬
はもっと上げてもよい、それだけの頑張りある仕事をしてくれるなら。国民、市民はそ
う思っています。地方政治の真ん中に座った議会、その構成員の議員さんに頑張って欲
しい。だから応援したいのです。
************************************************************************
3.ニュース/情報ピックアップ
************************************************************************
地方自治に関係する気になるニュースをピックアップします。
★ 第31次地方制度調査会答申(案)が公表されました
2月29日、人口減少社会下の地方行政体制やガバナンスのあり方などについて、
地方制度調査会が答申案をまとめました。自治体間の共同・連携、広域連携が困難な
市町村への都道府県による補完、地方独立行政法人制度の活用などが取り上げられて
います。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000401436.pdf
★ 全国市長会が児童福祉法等の改正に対する意見を提起しました
2月8日、全国市長会が児童福祉法改正案について、都市自治体への新たな義務づけ
が含まれ、地方分権に逆行するなどの意見を提起しました。
http://www.mayors.or.jp/p_opinion/documents/280208jidoufukushi_iken.pdf
************************************************************************
4.イベント情報
~第8回日本自治創造学会「改革発表会」に参加を~
今回の研究大会から議会(議員)・首長及び自治体職員・市民の皆さんが日頃取り
組んでいる改善や改革を発表する場を新たに設けました。
議会や自治体の改善・改革は小さな第一歩から始まります。
今まで何の疑問もなく行ってきた議会運営(本会議・委員会・会派のあり方・議会
基本条例の設置や運用・市民への情報開示・政務調査費の活用方法・行政視察のあり
方・議員定数など)や自治体の運営を少しでも改善し、改革することはどんな時代に
も求められている私たちの使命だと考えています。
さらに各議員の一人会派としての様々な努力や市民との連携なども改革・改善の第
一歩です。
どんな小さな事でも是非発表して下さい。発表することによって、それらが全国に
発信され多くの賛同者を呼ぶことにつながります。多くの皆様の参加をお待ちしてい
ます。
※詳細は大会申込書の裏面に記載されています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員
東京都中央区日本橋馬喰町1-12-2タック馬喰町707
お問い合わせ: info@jsozo.org
ホームページ: http://jsozo.org
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■このメールの受信の停止を希望される方は、
こちらからどうぞ。
http://jsozo.org/?page_id=6