<2018/11/15>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第35号 ■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.巻頭寸言
穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)
2.リレートーク
松村 正巳(自治医科大学地域医療学センター長)
3.ニュース/情報ピックアップ
4.イベント情報
******************************************************************
1.巻頭寸言
******************************************************************
「直言」
穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)
地方議員は自らの権限について、もう一度再確認する必要があります。何故なら首長を超える権能を持ちながら、発揮できないでいるからです。
これからの議会は単なる議決機関から脱皮し、政策提言機関・政策実現機関へと転換し、住民にとって“これが議会力だ”と明確に認識される必要があります。休日議会や夜間議会が提唱されるのは、議会自らが持つべき権能を発揮しないことに原因があるのではないでしょうか。
******************************************************************
2.リレートーク
******************************************************************
これからの地域医療に必要なこと
松村 正巳(自治医科大学地域医療学センター長)
本年9月16日に本学主催にて「第11回 地域医療フォーラム2018」を秋葉原にて開催させていただきました。3連休の中日ではありましたが、全国から177名の方がご参加くださいました。
昨年の「第10回地域医療フォーラム2017」では、「地域医療の鍵を探る ~機能分化の時代におけるホンモノの‘連携’とは~」とし、地域医療における連携には、皆が参加すること、情報を共有すること、機能分化の垣根を越えること、そして大切なのは、「お互いを思いやる心」という結論に至り、その提言を持ち帰りいただきました。
地域医療フォーラム2017 提言
みんなが主体的に 地域の思いと情報を共有し お互いに思いやる社会を目指して 垣根を越えよう
今年度のフォーラムは「人生100年時代における地域社会と地域医療 ~現場から考える~」という広いテーマとしました。
午前の全体会1では、「これからの時代の医療従事者像」、「社会参加と健康」、「生活者のための地域医療」、「介護政策と国民の介護参加」について専門の方々からご講演をいただきました。
午後の分科会では、「 情報連携とヒューマンネットワークを基盤にした地域医療」、「ちいきの保健室-人材活用、人材発掘、人材育成-」、「コミュニティ活性化の場づくり」、「地域での生き方と逝き方」の4つをテーマとし、参加者の方々は各分科会に分かれ、熱心に議論されました。
そして最後の全体会IIでは、人生100年時代を迎えたこれらからの地域社会においては、地域の人材・情報・場を活用し、皆が「わがこと」として、地域社会を一緒に語り合い、つくろうという結論に至りました。これを提言としてまとめました。
地域医療フォーラム2018 提言
人生100年時代を自分らしく生ききるために 地域の人材・情報(ICT)・場を活用し 「わがこと」のように考えられる社会を 一緒に語り、つくろう
今回の提言の底流にありますのは、人・モノ・予算が希薄になる中、「自助」、そして「互助」というわれわれ日本人が古来有している「惻隠(そくいん)」の再確認でありました。また、形にとらわれない柔軟な心構えが必要だと思います。
これからの地域医療においては、制度だけではなく、このような文化的側面も大切なのだと認識できました。地域が大きく変化する時代、われわれのあり方が試されているようにも思えます。お互いを思いやる心を忘れることなく、柔軟な姿勢が必要なのだと思います。
松村 正巳(まつむらまさみ)
自治医科大学地域医療学センター長・教授
昭和61年自治医科大学卒業。卒業後、石川県内の診療に従事した。平成21年金沢大学医学教育研究センター准教授。平成25年から地域医療学センター総合診療部門教授。
******************************************************************
3.ニュース/情報ピックアップ
地方自治に関係する気になるニュースをピックアップします。
******************************************************************
実施へと進む「幼児教育・保育の無償化」
来年10月から、政府肝いりの政策として実施される幼児教育・保育の無償化。対象となるのは3歳から5歳までのすべての子どもたちの幼稚園、保育所、認定こども園。
「無償化は少子化対策の決め手だ!」と歓迎する声が目立つ一方、保護者からは「ますます保育園に入りにくくなるのでは」などの心配の声が、自治体からは「施設整備や人材確保、財政負担増など課題が多い」「半年間の延期を」などの意見が出されています。
それにしても、この調子で歳出を膨らませ、一方で消費税増税分は軽減税率や経済対策などで目減りさせて、国や地方の財政はこの先どうなってしまうのか?この点の議論は、一向に政府からも国会からも聞こえてきません。さてはて…。
★市町村負担4370億円
=幼保無償化で-内閣府原案
2018年11月7日 時事通信社
http://news.livedoor.com/article/detail/15561327/
★子どもたちのための無償化実現に向けた緊急アピール
2018年7月10日 全国市長会
http://www.mayors.or.jp/p_action/documents/300710kodomo_appeal.pdf
★無償化半年は全額国費=政府方針
-幼保、給食費は保護者負担で-
2018年11月10日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201811/CK2018111002000131.html
★保育・教育無償化=所得制限が前提だ
2017年11月14日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO23489370U7A111C1EA1000/
★幼児教育・保育無償化 「地方に負担ない進行を」
-3市長会が国へ要請-
2018年2月2日 タウンニュース
https://www.townnews.co.jp/0603/2018/02/02/417779.html
★迫る無償化、測りきれぬ影響
=ちぐはぐ保育、誰のため?
2018年11月5日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37214780R01C18A1EE8000/
★小城市長「幼保無償化、課題多い」
-短い準備、期間財政負担も懸念-
2018年9月7日 佐賀新聞
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/271194
★政府の保育無償化、福井市などは反対
「施設整備や保育士の確保が先」
2018年8月15日 福井新聞
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/677833?page=2
******************************************************************
4.イベント情報
******************************************************************
地方行政に関連するイベント情報を中心にお知らせするコーナーです。
掲載希望のイベントがありましたら、編集委員(info@jsozo.org)まで御一報ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員
東京都千代田区神田佐久間町2-24-301
お問い合わせ: info@jsozo.org
ホームページ: http://jsozo.org
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■このメールの受信の停止を希望される方は、
こちらからどうぞ。
http://jsozo.org/?page_id=6