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【fromJSLD】日本自治創造学会メールマガジン第33号

< 2018/9/15>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第33号 ■■

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【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.巻頭寸言
  穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)
2.リレートーク
  白川 展之(文部科学省科学技術・学術政策研究所主任研究員)
3.ニュース/情報ピックアップ
4.イベント情報

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1.巻頭寸言

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「直言」

  穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)

 国と地方の政治的力量は多少のバラツキはあるものの同等だと確信している。リーダーの力はもとより、国と自治体の議会力や職員力の比較からである。多くの方々は権能の差異を両者の政治的レベルと錯覚されているのかも知れない。
 ふるさと納税の返礼品競争が批判されているが、国の地方に対する強い規制や制約へのささやかな反抗だと考えている。
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2.リレートーク

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-シビックテック-
情報技術で住民自治をともに考えともに創る

  白川 展之(文部科学省科学技術・学術政策研究所 主任研究員) 

シビックテックとう言葉をご存知だろうか?
シビックテックとは、情報技術を用いて身のまわりの社会課題を解決しようとする活動のことだ。元は、米国に於いて、オバマ政権の選挙キャンペーンに参加したジェニファー・パルカ氏らによって設立されたCode for Americaが米国の地方自治体のICTを劇的に改革した事例もあって有名になった。

日本でも、シビックテックの活動は、東日本大震災の後の災害状況を個人が自発的に情報を整理して地図上に整理して伝える活動(クライシスマッピング)をきっかけに活動が本格化した。

こうした団体は、Code for XXと呼ばれ全国に50以上の団体が活動している。
日本全国のネットワーキングとともに、米国など世界のコミュニティとの結節点となっている組織にCode for Japanあるが、その活動はヒエラルキー型の組織ではなく、自律分散型だ。その設立前から金沢や会津などでは自発的な市民コミュニティが地域の地縁と情報技術を融合させて、地域特有の課題解決に役立つアプリなどの製品が出て、自立分散的に活動が先行してきた。

活動の成果の代表例には、Code for Kanazawaによって作成されたアプリ「5374.jp」がある。自治体ごとに分別・収集のルールが異なり、さらに地区によって収集日が異なるゴミ出しについて、スマートフォンで、住民に居住地に応じた情報を伝える。100以上の自治体にボランタリー活動によって普及した。

米国では、Code for Americaがフェローと呼ばれる技術者を自治体に送り込み短期間で自治体の行政課題の解決に役立つような情報サービスを作り成果をあげるといった、団体自治を改革する色彩が強い。これに対して、日本では、市民や技術者と草の根の人々が広域で連携して自発的な動きが主導した活動になっている。このため、地方議員が活動に積極的に関与する例も見られるのが特徴だ。

シビックテックが得意なのは、深刻な社会問題というより、どこの道路に穴が空いているといったような「ドブ板」の政策課題だ。つまり、自治体や政府のオープンデータと組み合わされることで、問題解決の方向性を議論可能にすることに真骨頂があるためだ。

来る9月22から23日には、新潟市で全国から活動家たちが集うCode for Japan Summit 2018 が開催される。自治創造に関わる皆様には、是非ともシビックテックの持つ可能性に触れていただければと思う。

白川 展之
文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)
科学技術予測センター(STFC)
(併任)科学技術・学術基盤調査研究室
主任研究官 
博士(政策・メディア)
一般社団法人Code for Japan設立時理事、現社員(メンバー)

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3.ニュース/情報ピックアップ

地方自治に関係する気になるニュースをピックアップします。

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―訪日外国人に災害情報をどう伝えるか―

 今年は、6月の大阪府北部地震、7月の西日本豪雨、9月の北海道胆振東部地震など、震災や豪雨災害が多発しています。
 特に、それまでの人生で一度も「地震」という現象を体験したことのない訪日外国人にとって、慣れない異国で未体験の地震に見舞われた際の不安と混乱は、我々には想像を遥かに超えるものではないかと思われます。
 そんなときに役に立つのが、観光庁などが配信している各種のスマホアプリですが、災害に伴う停電や通信網の輻輳などにより必要な情報が得られない状況も発生しています。
 では、どうやって災害情報を伝えるのか、どうやって安全に避難誘導を行うのか。
 これから人口減少社会を迎える我が国にとって、訪日外国人観光客に安心して観光を楽しんでもらえる社会づくりが不可欠となる中、外国人観光客の命を守る基盤となる防災インフラづくりが急務となっています。

★訪日客、届かぬ情報 停電引き金、異国で「言葉の壁」 頼りのスマホ使えず
2018年9月8日 毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20180908/ddm/041/040/061000c

★訪日外国人「早く帰国したい」 北海道地震で被災、困惑
2018年9月8日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35143450Y8A900C1CC0000/

★札幌市内に観光客用避難所を緊急設置 タイ人男性「よく眠れた」と感謝の声
2018年9月9日 スポーツニッポン

https://www.sponichi.co.jp/society/news/2018/09/09/kiji/20180909s00042000036000c.html

★西日本豪雨 被災外国人向けに生活情報 災害時の支援体制が課題
2018年7月21日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33253080R20C18A7CC0000/

★災害情報、地図や多言語で発信 スマホ・カーナビ念頭 総務省
2018年7月5日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32634040V00C18A7MM0000/

★災害時の外国人観光客ケア不十分 大阪地震で課題
2018年6月20日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31994260Q8A620C1AC1000/

★訪日外国人ら「情報足りない」 慣れぬ地震に動揺
2018年6月18日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31900940Y8A610C1AC8000/

★被災外国人支援へ専門人材 総務省、行政との仲介役に
2018年4月9日 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29163560Z00C18A4CR8000/

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4.イベント情報

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地方行政に関連するイベント情報を中心にお知らせするコーナーです。
掲載希望のイベントがありましたら、編集委員(info@jsozo.org)まで御一報
ください。

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発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員

東京都千代田区神田佐久間町2-24-301

お問い合わせ: info@jsozo.org

ホームページ: http://jsozo.org
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