地方から未来を真剣に考える。

メールニュース

メールニュース一覧

--

【from JSLD】日本自治創造学会メールマガジン第11号

< 2016/11/15 >━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■【 The JSLD News 】日本自治創造学会メールマガジン第11号 ■■

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.巻頭寸言
  穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)
2.リレートーク
  服部 範雄(日本自治創造学会監事・元関東管区警察局長)
3.ニュース/情報ピックアップ
4.その他

************************************************************************

1.巻頭寸言

************************************************************************
  「直言」
                       
          穂坂 邦夫(日本自治創造学会理事長)

大都市への一極集中が加速し、地方は人口の急減や若者の流出、急速な高齢化によって
疲弊しています。この問題の解決には共通の課題を持つ自治体が連携し、交付税の策定方
式など地方に対する国の政策転換を求めていく必要があります。
首長の決断、地方議会のリーダーシップ、地方公務員の提案力を住民は期待しています。

************************************************************************

2.リレートーク

************************************************************************
  「脅かされる地域の安全・安心・・・防犯の観点から」
                        
          服部 範雄(日本自治創造学会監事・元関東管区警察局長)

 先月26日、総務省は2015年国勢調査の確定値を公表しました。国勢調査としては1920年
の調査開始以来、初めて我が国の総人口が減少しました。また、75歳以上の人口は1612
万人と総人口の「8人に1人」を占め、初めて14歳以下の子供の人口1588万人を上回りま
した。
 この結果は、これまで指摘されてきた少子・高齢化が一段と進んだことや人口減少のテ
ンポがいよいよ加速しだしたことを示すものです。

 福島第一原発の事故に伴い、地域住民が避難した住宅地をイノシシの群れが白昼堂々と
闊歩する姿に、多くの方は驚きとともには胸を痛めたことと思います。
 ここまで極端な例でなくとも、地域住民が少なくなれば、これまで築かれ、維持されて
きた地域の連帯・見守り力が徐々に弱体化し、地域の文化遺産などへ十分な注意を払うこ
とが難しくなり、安全で安心な生活も脅かされることとなります。
 
 2016年6月18日付の毎日新聞によると、滋賀県米原市にある「梅香山慈雲院 本荘観音
堂」の仏像3体が、6月1日午後4時半ごろから同月16日午後5時ごろまでの間に盗難に遭い
ました。お堂は田畑に囲まれた住宅地にあり、地域住民が管理していました。

 仏像の盗難事件は、骨董ブームなどを背景に年々増加しており、特に最近では、地域住
民が減少して維持できなくなった社寺や、地域住民が管理しているお堂などが狙われてい
ます。また、上記事件でも見られるように、多くの場合、事件の発覚が遅れ、犯行の日時
の特定が困難な場合がほとんどというのが実態です。

 また、2015年3月26日付の産経ニュースによれば、栃木県栃木・佐野両市で、消火ホー
スなどを収納する格納庫からホースの先端につける「菅鎗(かんそう)」と呼ばれるノズ
ル195本が盗まれていることが判明しました。ノズルは長さ約90センチ、重さ2・3キロ
で、真鍮で出来ていることから、1キロ400円台で取引されているといいます。格納庫に
は、ノズル、ホース、消火栓を開閉する金具の3点が入っており、消防が駆け付けるまで
の間、近隣住民が初期消火に使うものです。

 同様の事件は全国で多発していて、愛知県、三重県など中部地方では5千本以上の被害
に遭っているとのことです。金属を狙った同種の事件としては、エアコンの室外機(空き
屋や地域住民の集会所などに設置されているもの)、銘板、側溝の蓋などの盗難事件も多
発しています。

 こうした犯罪の多発傾向については、いくつかの要因が指摘されますが、何と言っても
これまで地域住民が一致団結して担ってきた地域の安全・安心な生活を守れなくなってき
ていることではないかと考えます。

 地域住民の安全・安心な生活を守るのは、第一義的には市町村役場や警察の責務です
が、国民一人ひとりが自分の住む地域の実態把握・理解に努め、日々の生活の中で可能な
限り注意を払いながら、その維持・管理に当たることが求められています。容易なことで
はありませんが残された時間は多くはありません。

************************************************************************

3.ニュース/情報ピックアップ

地方自治に関する気になるニュースをピックアップします。
************************************************************************
★消費税収の配分見直し検討 自民税調、東京集中を是正

年々広がる一方の地方税収格差。少しでも是正しようと、国も地方法人税制の一部見直し
やふるさと納税制度などを進めていますが、ここにきて、与党サイドから地方消費税の配
分ルールを見直す動きが出てきました。社会保障を支える基幹財源とされる消費税。地方
にとっても貴重な安定財源であるだけに、今後の動きを注視する必要があります。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09015640R01C16A1PP8000/

★全国知事会、憲法改正(参議院制度改革)草案をとりまとめ

一票の格差問題に揺れる国政選挙。参議院では二つの県を一つにする「合区」が行われま
した。このまま大都市への人口集中が進めば、国政の場で、過疎や産業空洞化などに苦し
む地方の問題が置き去りにされかねない・・・。そうした危機感から、全国知事会が自立
分権型社会の実現を目標にした「憲法改正草案」を公表しました。改正素案のポイント
は、参議院を「地方の府」と位置づけ、各都道府県からの地域代表を必置化しようとする
ものです。

http://www.nga.gr.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/2/05%20161013kenpo.pdf

************************************************************************

4.その他

************************************************************************

※地方行政に関連するイベント情報を中心にお知らせするコーナーです。
掲載希望のイベントがありましたら、編集委員(info@jsozo.org)まで御一報
ください。

※今後、みなさんからのメルマガへの寄稿などを掲載していく予定です。
掲載希望の方は、編集委員(info@jsozo.org)まで原稿をお送りください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行:日本自治創造学会
編集:日本自治創造学会メールマガジン編集委員

東京都中央区日本橋馬喰町1-12-2タック馬喰町707

お問い合わせ: info@jsozo.org

ホームページ: http://jsozo.org
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■このメールの受信の停止を希望される方は、
こちらからどうぞ。

http://jsozo.org/?page_id=6

--